幼い頃はお転婆な反面 ボーっとしてどこかの世界を漂っている事が多かったように思います
洗面所の三面鏡に向かって一人三役を演じるのが好きでした
ドラえもんやサザエさんの役になりきってストーリーを演じていることも
誰も知らない役柄でヒロインを演じることもありました
洗面所でぼーっとしている習慣はその頃からまったく変わらないなぁ と思います
母に特にお礼を言いたいのは
私がボーっとしているその時間を ガラスのように 壊れやすい 繊細で大切な時間として
邪魔しないでそーっとしていてくれたこと
「あら たのしそう」 と少し離れてみていてくれたこと
どしゃ降りの雨の中 傘もなしで庭に出て大の字になったり 空に向かって大声で叫んだり
長靴の中に泥んこを入れて兄たちと投げ合って遊ぶのを うれしそうに見ていてくれたこと
もしも私の中に 「創造性」 と呼べるものが少しでもあるなら
それは幼い頃のそんな体験が源泉なのだと思います
兄と祖母とで通った幼稚園
帰り道は横町の角を曲がると ベランダで歌う母の声が聞こえてきます
みんなをいつも笑わせている母でした
母の存在に兄と私はよく笑いころげてました
腹がよじれて窒息するくらい笑い転げてた家の中
母と兄と私の3人で踊って歌って演じては笑いころげたあの頃
あれが母からの一番のプレゼントでした
もちろん欠点もありました
喜怒哀楽が激しく コントロールが難しい歌手だったのです
集中力がとても強い反面 自分の心の激しさに苦しみ続けた人でもありました
勉強しなさい きちんとしなさい 早くしなさい
そういう言葉に追いかけられた記憶は皆無です
そんな母から教えてもらったこと
生まれてこられて良かった 毎日は楽しい
自由に 感性のとおりに生きられるってこと
私も変わり者だと言われることはあるけど 母の愛が私のエネルギーです
ママ 空の上からいつもみていてね